清水家住宅は花しょうぶ通りの南側に、東棟と西棟が北面して建つ。生糸、真綿を取り扱ってきた商家で、当時の広告媒体である引札が残る。切妻造り、平入り、ツシ二階建ての間口4間半の西棟と、間口2間半の東棟の2棟からなる。
西棟は東側の幅1間を通り庭とし、その西に幅1間の部屋が並び、その奥に8畳間が3室並ぶ。
通り庭には表に面して跳ね上げ大戸が、通り庭途中には格子の中戸が残る。
二階は表側の梁行き2間分をツシ二階とし、その奥は通り庭上部を吹き抜け、座敷と通り庭の間の幅1間分は板敷とし、物置となっている。
彦根の城下町から中山道にかけての特徴的な空間構成である。
建立年代を示す史料は残されていないが、江戸時代に遡るものと考えられている。
引札:江戸時代からめ大正時代にかけて、商家が宣伝のために作成した札(チラシ)。七福神などの絵柄とともに、取扱商品や店の所在地を記載していた。
「繭屑物 ソノ外ニ 生糸真綿 売買 江州彦根 芹新町 ヤマニ商店」と書かれている。
清水家住宅
西棟および東棟1階平面図
清水家西棟
清水家に残る引き札
立面図
断面図